ぼくのような少年を、世の中にこれ以上つくってはならないと思っている。
それをくい止めるために、ぼくはこの仕事を選んだのではないかとさえ思っている。
もっと言えば、それが使命なのだと。
ライフプランを設計することは、
家族に対するひとつの愛の形です――
事件以来、朝、目を覚ました時、天井を見ることで、
ぼくは「生きている」と実感するようになった。
今日も生きていられた、と。
「天井」で生を実感するのは、今でも変わらない。
だから、生きている、生かされていることにぼくは貪欲だ。
誰かと比較して嘆いたり、グチをこぼしている時間はもったいないし、
気持ちが後ろ向きになるので、そんなことに時間を費やさないよう心がけている。
だから、自分の子どもたちにもライフプランを立てて、目標に向かって生きてほしい。
成績はよくなくたって構わない。
自分を生きるために、夢や目標を持ってそこに向かってほしいと思っている。
一生のうち、一日なんて瞬間のこと。
だけど、そのたった一日のことだが、大切に生きようと意識して充実させることも、
粗末にただ時をやり過ごすこともどちらもできる。
それなら、ぼくは充実した一日を送りたいし、家族にもそうであってほしい。
一日を過ごせたことへの感謝の気持ちを込めて、毎晩寝る前にぼくは息子たちに言う。
「今日も一日楽しかったね。明日も楽しいといいね」と。
いつまでもそう言い続けられる人生を、子どもたちに歩んでもらいたい。
(「今日も一日、楽しかったね」より抜粋・編集)
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