仕組みを変えれば儲けることは簡単だ!
売上10億円、社員50名、経常利益2億円までの小さな会社の お金のこと、商品のこと、人のこと、すべて教えます。
お金は価値である
サハラ砂漠でミネラルウォーターを売る
100円のミネラルウォーターが1本あるとする。100円のミネラルウォーターは、100円の価値である。 たとえば、サハラ砂漠で20人の人が水に枯渇し、水を求めているとする。だが、それを1人にしか売らないとなれば、100円のミネラルウォーターが1000円はおろか、1万円でも10万円でも安いということになる。
なぜなら、そこで最終的にテーマとなるのは、自分の命と水との関係だからである。
結果的に、商道の本質というのは、「ノーニーズ、ノープレゼンテーション(必要性のないところに説明はいらない)」である。いかに世のため、人のために必要とされるものを扱うかということが大事になる。すなわち、競争原理がこの社会には働いている。だから、お金というのは別の言葉に置き換えれば、「価値」である。 価値とは、要するに、目に見えない人々の願望、望みをかなえてくれるものである。誰もが自分の願望、望みをかなえるために、お金を使うわけである。
サハラ砂漠のミネラルウォーターの話を続ければ、そこにライバル会社が来て、ダンプカー1台分の水をたっぷり持ってくれば、1本しかなければ値段はいくらでもつり上がる水の値段も、一気に下がることになる。 だから、モノの価値は、常に相手が決定していくということである。ビジネスでは、原価から積み上げて利益を出す商売の発想と、顧客が最終的に手にする商品が価値を生み出す商売の発想の両方から考えていくことが大事になる。
個人を相手にする商売と法人を相手にする商売
価値は常に相手(顧客)が決定するということについても、個人を相手にする商売と法人を相手にする商売では、まったく設計の仕方が違うのである。個人の場合は、一言でいえば、満足を得るためにお金を払う。 企業が相手の場合は、会社は経済活動を基本としているから、投資に対してどれだけのリターンがあるかを考える。 企業の中においても、トップ、管理職、使用者ではリターンの捉え方が異なる。トップは利益に1番関心がある。管理職は業績をあげることに関心がある。使用者である買い手は、その商品を使って便利かということにお金を払う。
つまり、そのモノ(商品・サービス)が高いか安いかということは、使用者であれば、便利なものは安いということになる。管理者であれば、自分の業績、実績を伸ばして上司にプロモーションできる、または部下を管理しやすくなるもの、そういう仕組みのものであれば安いということになる。
経営者はその商品・サービスがいくらであろうと、投資に対してリターンが見込めるものであれば、そして、その確証があれば、投資するということになる。
だから、商品・サービスが安いか高いかということを考えるときに、商売の下手な人間は、自分の立場(売り手の立場)に立った発想をしてしまうので、安いか高いかの価値は常に顧客が決定するということをよく理解していない。
私は、お金とは価値だと思っている。つまり、価値と価値を交換することが、経営の本質だと考えている。歴史を遡れば、もともとは物々交換だったわけである。しかし、物々交換ではお互いに都合が悪いので、お互いの約束事として、通貨・貨幣が生まれてきた。
大昔は、石の塊のようなものがお金の代用として使われるなど、歴史を見ていくといろいろなお金があるわけだが、時の流れととともに、精錬され世界共通の通貨というものが生まれてきた。現在は、ドルが世界でもっとも強いお金になっているけれども、結局、世の中はお金が価値となっている。
お金はお金を呼ぶ。すなわち、価値にお金は集まる。お金に対する哲学が、商売人としては非常に大事なことだと思う
本文【第1章 お金のマネジメント】より抜粋
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